【ぐんま地域福祉コミュニティRAISEにてオンラインイベントを開催しました】

 9月18日㈬に、地域ふくし・地域づくりに興味がある方向けのオンラインイベントを開催し、スタッフも合わせて合計36名が参加するイベントとなりました。
 今回は「地域福祉の立ち上げと実践」をテーマに、講師に登坂将志さん(渋川市社会福祉協議会地域福祉課課長)と森下達也さん(前橋市地域包括支援センター桂萱管理者)をお招きし、地域の居場所やイベントを立ち上げた2名から、地域福祉の実践についてお話しいただきました。ソンリッサのスタッフの感想を交えながら、当日の内容を報告させていただきます。

 まずは、森下さんから「幸せのベンチ」のプロジェクトについてお話しいただきました。
森下さんが包括支援センターの職員として担当していた高齢女性のAさんが外出の際の中継地点がなくなってしまったことで家にこもりがちになってしまったことをきっかけとして始まったこのプロジェクト。黄色いベンチはベンチを介して人と人とを繋ぎ、更には地域の学校や企業も繋ぎながら地域の課題を共に解決しています。
 2020年10月から始まり、今では160台もの数を設置され、移動の中継地点として活躍したり、待ち合わせ場所などの集いの場となったり、日常的に利用される方を地域の方が見守ることができる場になったりと活躍は様々です。ドラックストアや銀行、カフェなどの企業の方や、看護学校やフリースクールなども幸せのベンチの活動に賛同され、「地域の方の役にたつのなら」「地域貢献したい」との声が集まりどんどん黄色いベンチが広まったそうです。
今後は緊急通報の目印として活躍するなど「幸せのベンチ」の今後の活躍が楽しみになるようなお話も伺えました。「様々な主体が楽しみながら気軽に」地域づくりに参加できる幸せのベンチがあることで、地域の役に立ちたいという想いがベンチへ集まり、様々なプロジェクトに派生しているのだと思います。森下さんのお話をお伺いして、1つ1つのベンチで生まれるストーリーを地域の一員として見守り、大切にしていきたいと感じました。

 次に、登坂課長から地域共生施設の「だれでも広場」についてお話しいただきました。
誰でも広場は全ての人を対象とした施設で、子供だけではなく大人、高齢者の居場所にもなっており、住んでいる地域も関係なく利用できます。
支え手も不登校児童・こども・保護者・高齢者などのすべての方が担っています。登坂課長が未来を見据え社会保障費の増大や、労働力が減少していく中で次世代に責任ある施設を作りたいという想いで2010年に立ち上げたプロジェクト。立ち上げ時にはうまくいかず、心無い言葉をかけられたこともあったそうですが、6年間熱意を持って取り組み続け、デイサービスの跡地を施設として利用できるチャンスが訪れたそうです。当時は登坂課長を筆頭にたった3名の職員の皆さんでDIYを行いながら施設を形作っていったというお話には驚きました。
「利用者が多すぎて困る施設にしよう」という合言葉を掲げて活動を続け、今では「利用者が多すぎること」が課題になっているとのことで、いかに熱意をもって逆境に負けずに取り組み続けることが地域福祉において大切かを学ばせていただきました。

 今回のイベントでは居場所づくりに興味を持っている方、コミュニティカフェの設立を考えている方など、地域のために何かアクションを起こしてみたい方々が集まりました。お二人からお話を伺い、二つの大切なことに気付かされました。
 1つ目は、「自分自身の想いを大切にして、挑み続けること」です。お二人はたとえどんなに実現が難しかろうと、反対の意見があろうとも自分の中の想いを大切にして課題に立ち向かい続け、プロジェクトを成功に導いてきました。そんな姿に、私も含め、参加者のみなさんも勇気づけられたように感じました。
 2つ目は「プロジェクトを通して見つかる「地域へ貢献したい」という一人一人の想いを見逃さず、次につなげていくこと」です。お二人のプロジェクトは多くの方に対し、地域に対する考え方の変化や気づきを与えてこられたと思います。これからの地域福祉の場で活躍したいと思い立った方の背中を押したり、実際に活動できる場を生み出していると感じております。
 実際にイベント参加者とのディスカッションの時間では参加者からの質問で「良い話を聞くことができた。地域のつながりの希薄さを感じている日々で、自分でも何かできることはないでしょうか?」との声が聞かれ、「ぜひ現場に足を運んでください!」と講師の方がお声がけする場面もありました。そんな様子からも今回のイベントで一人一人の熱い想いがつながりあう場ができたと感じられました。

 これからの地域福祉においては、地域で暮らす全ての方、一人一人が少しでも地域のことを自分なりに考え、行動していくことが大切だと考えております。そんな方々が活躍できる場を見出していくことを私も今後の活動でより意識していきたいなと思います。

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